〜2025本大賞受賞作〜
「生活すること」って、めんどくさい家事との戦いだと思う。
元気な時は掃除も炊事もなんとかこなせるけど、心も体もどちらか片方でも疲れてしまうともう家事なんて絶対できない。
家事代行サービス会社「カフネ」は、食事作りと片付けのボランティア活動を通じて、疲れ切った家族の心と体を優しくいたわってくれる。
最愛の弟を亡くした主人公がそのボランティアに関わることで始まる優しい物語は涙なしでは読めません。
誰でもがなんの問題もなしに元気で毎日暮らしているなんてない事が、痛いほど胸に刺さります。
恥ずかしいぐらい泣けますので、家の中でひっそりと読むのがおすすめです。
『カフネ』阿部暁子 講談社 ¥1,700